情報サービス業

情報サービス業

IT業界の現在のメインたる情報サービス業に焦点を当てて見る。カテゴリー別売り上げでは受注ソフトウェア開発が圧倒的な割合を占めている。

情報サービス業の分類

 この業界では、出資元との関係による分類が一般的で、メーカー系、ユーザー系、独立系の三つに分類されている。しかし、近年、コンサルティングファームも経営戦略の方法論としてのITの活用から、情報サービス業に進出してきており、コンサル系を含めた四つに分類することはある意味で有意義であると考える [1]

どの分類の企業がいいかは、それぞれに一長一短であり、その状況によりクライアントが選択すべきものである。それは、NECのメーカー子会社に、親会社の販売業務支援をやめさせ、日立のハードウェアを使ってシステム開発をするように注文しても、クライアントには何のメリットもないであろうということからも容易に想像がつく。つまり、これらの分類がソフトウェア企業サイドに無意味になり始めているとしても、クライアントサイドはシステム発注先を選ぶ一つの指標として今も有意義であるといえるだろう。

システムの開発工程及び事業領域



 これらの事業領域はかなり単純化したものであり、正確なものではない。また、それぞれの工程で、多くの零細企業が存在する。SIerは全工程を一括で請け負う窓口とはなるが、実際には、請け負う工程中の上流工程における業務を主たる業務とし、下流工程はそれを専門にしている企業に下請けもしくはアライアンス提携で外注するのが通常である。

注目の情報システム

ERP(エンタープライズリソースプランニング)

統合基幹業務システムという。財務会計を中心として、人事管理や生産管理、物流などのシステムを統合したもので、企業の基本的経営資源である人・物・金を一括管理することが可能となる。

SCM(サプライチェーンマネージメント)

 部品調達から、生産、物流、販売までのジャストインタイムな管理をするシステム。特に製造業、小売、商社、流通業界で積極的に取り入れられており、一切の情報を共有化する情報システムの活用で、仕掛け品を含む在庫量を低くし在庫の回転率を高めること、および、製品のスループットを高めることが可能となる。

CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)

顧客主導型のワントゥワンマーケティングを実現するシステム。顧客の取引履歴や顧客属性を収集し、データベース化してデータマイニングを施し、顧客一人一人に対して、最適なDMによるお勧めや顧客シェアの獲得 [2] を実現する。

研究開発中の情報システム

KM(ナレッジマネージメント)

人・物・金・情報についで、第5の経営資源を言われている「知 [3] 」の管理手法。経営学の方法論としても未完成であり、特にコンサル系企業によって科学的(実験的)手法により、研究中であるといえる。システムによる支援策としては、データベース化部分であるのだが、データベース化する以前の人的部分に問題が多く潜んでいる。

参考文献



[1] 日本国内のコンサルファームに当たる各総合研究所は、資本的関係から見ると、ユーザー系に属すると考えられている。

[2] 市場シェアに対して、「顧客シェア」とはその顧客一人が、一生涯使う購買力のうち、自社に対してどれだけ消費してくれているかというもの。

[3] 「知」とは、人・物・金・情報の使い方、それらのノウハウのことであり、日本ナレッジマネージメント学会専務理事高梨智弘によれば、具体的に「知識、知恵、知心」であるという。

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「知の経営」推薦図書


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